霊場・戸隠「茅葺き屋根宿坊」と中社~宝光社一帯の街並み!長野市
《中社鳥居前と横大門通りの街並み》
伝統的な日本の建築技術である茅葺き屋根が戸隠宿坊に多く
見られるのは戸隠の地域・町並み・建築などに残る
歴史的な特色や景観があるためです。
また、耐久性と自然環境になじみやすく、社殿や民家、石垣などと
一体となって戸隠の古き良き町並みの景観を今に残しています。
戸隠といえば戸隠神社や奥社の風景を見ておそばを食べて
終わってしまいがちですが、それでは非常にもったいないです。
ぜひメインストリートから1つ中に入った道などで
町並みや建築の特徴を楽しんでみてはいかがでしょうか。
下記クリックで好きな項目に移動します☆
戸隠・中社周辺の町並み
戸隠の町を歩いていると、懐かしい心地よさがあります。
それは、茅葺き屋根の宿坊や、石垣・木塀・社殿が今も大切に
守られ、 “古き良き日本の姿”が町並みに息づいているからです。
■ 中社の門前の宿坊建築
18軒の旧宿坊は現在宿坊としての伝統を守り旅館として
旅行者を迎えています。
中社・門前町の魅力
立派な鳥居と門前町の規模から中社が戸隠神社の中核で
あるとわかります。、
戸隠神社参拝、奥社の杉並木、名勝鏡池、森林植物園、水切れが
よく、戸隠そばを引き立てる根曲竹の竹細工、
冬は戸隠スキー場まで徒歩10分です。
名物・戸隠蕎麦は
旧宿坊で
戸隠神社参拝客に
提供していたのが発祥です。
中社から宝光社へ続く一帯には、 かつて修験者や参拝者を
迎えてきた宿坊が点在し、茅葺き屋根や石垣、木造りの門など
伝統建築の姿を残し、中社の大きな杉木立とともに、
戸隠らしい“霊場の町”としての姿を見せてくれます。
■ 旧徳善院庫裏(極意家宿坊)
きゅう とくぜんいん くり(ごくいけ しゅくぼう)
中社社殿に最も近い宿坊。
入母屋造・茅葺きの総二階建てで、
雪深い戸隠ならではの「せがい造り」が特徴です。
《軒先や二階を張り出させることで建物を守りつつ、木組みの美しさを見せる伝統技法が残っています》。
■ 旧十輪院 旅館横倉
江戸後期再建の紅殻色の門、
白壁の土蔵、茅葺き屋根が
印象的な宿坊。
館内には神殿があり、当主は戸隠神社の神職。
主屋と門は「歴史的風致形成建造物」に指定され、地域で唯一の茅葺き建造物です。
■ 旧宝泉院 中谷旅館
中社大鳥居の正面に位置し、
客室から大鳥居を望める唯一の宿坊。
庭園には珍しい高山植物が育ち、
四季の移ろいを楽しめます。
■ 旧観法院宿坊神原
大鳥居から右の小路に入って東に向かうと横大門です。
《横大門通りに入って後を振り返ると集落のなかに森が割り込んでおり、
樹林や田畑を挟んで宿坊風古民家が並ぶ》。
横大門地区にある古民家はどれも品格がある造りなのです。
戸隠を信仰する「戸隠講」を組織して参詣の旅をする
「講中旅人」を泊める小さな寺院であったためだとか。
■ 金輪院(こんりんいん)今井旅館
主屋は270年前の建築で、神社仏閣の
ような造り。
幅1間(1.8m)の畳廊下に27枚の畳が
敷かれ、当時の家族制度や身分制度をしのばせます。
■ 民営国民宿舎・常林坊(じょうりんぼう)成瀬旅館
木造建築の大きな建物で、宿坊の面影を色濃く残す宿。
館内の神殿で戸隠神社の神様に参拝できます。
神仏混合の時代の名残が随所に見られます。
横大門という地区は、中社に向かうメインストリート(県道36号)を
原山竹細工店の裏で東にそれていく地区を言うようです。
偶然にもその地区には「横大門」という、その地名に
ちなんだ蕎麦店があって、
■ 手打ちそば横大門
この地区には「戸隠そばどころ」というガイドブックには載らない
ような店まで含め、40店以上あるそうです。
近くの有名店「うずら屋」さんは、1時間待ちだとか。
こちらを選んだのは
・有名店ではない
・「おすすめの一品」は天ざるや
戸隠地大根辛みおろしそば。
・冬場は23時まで営業、地元客が主なお店らしい。

サービスの蕎麦団子(右)の印象が深く、中身はそばがきです。
外側をカリッと揚げてうまみを強調しています。
「横大門」という名前には、
この地区が寺院の門前町で、しかも「大門」と呼ぶほどの格式の寺院
やそれに順ずる小寺院があった歴史を感じさせてくれます。
■ 戸隠に息づく茅葺き屋根の文化
戸隠には、人々が守り継いできた信仰と「茅葺き」の文化が今も息づいています。
雪深い土地の暮らしと、自然とともにある建築技術が重なり、 茅葺き屋根は
今も戸隠の町並みを支えています。
・雨水・雪を効率よく流す勾配
30〜40度の急勾配で設計され、雨水が内部に浸透しない構造。
・積雪対策の工夫
雪止め、落雪シート、屋根勾配など、豪雪地帯ならではの知恵。
・地域で受け継がれた共同作業
茅刈りから葺き替えまで、地元の素材を使い、地区内で協力して行われてきた。
・断熱性と通気性の高さ
厚さ30〜50cmの茅が、夏は涼しく冬は暖かい環境をつくる。
・古い茅の再利用
粉砕して畝間に敷き詰め除草効果を高めたり、 牛糞と混ぜて堆肥化し、
土の肥沃化に役立てる。
茅葺き屋根の文化を知ると、戸隠の宿坊の佇まいがより深く
感じられます。
では、再び中社から宝光社へ続く町並みに戻ってみましょう。
戸隠・宝光社の街並みと宿坊
五つの戸隠神社の中で、最も標高の低い場所に位置するのが
宝光社です。
古くから“戸隠の玄関口”として参拝者を迎えてきた場所で、
今も宿坊が並ぶ静かな町並みが残っています。
宝光社の参道は、長い石段と杉木立が印象的で、
中社とはまた違う、柔らかく落ち着いた空気が流れています。
■ 宝光社の宿坊の特徴
宝光社の宿坊は、戸隠神社の重要な拠点としての役割を果たし、
伝統の精進料理や戸隠そばを提供してきました。
この地区は、終戦後と昭和45年に二度の大火に見舞われましたが、
地域一体となり、江戸時代からの地割を維持し、復興しました。
現在は 重要伝統的建造物群保存地区 に選定されています。
茅葺き屋根の補修・電柱の地中化・看板の規格化・イラストマップの整備など
地域全体で景観を守る取り組みが続けられています。
■ 宝光社に残る宿坊文化(16軒)
宝光社周辺の宿坊群は、
江戸中期から昭和までに建築された「せがい造」を特徴とする
茅葺き屋根の伝統的建造物が多く残されています。
これらの宿坊は、歴史ある信仰集落としての町並みをつくり、
地域の人々が”誇りを持って住めるまちづくり”が進められています。
また、宿坊群は、茅刈りワークショップなどの地域外の方を
対象としたイベントも開催して、地域の活性化にも寄与しています。
■ 宝光社周辺の宿坊群
宿坊では伝統的な精進料理に加え、戸隠そばや信州牛や信州サーモン
といった地元・長野ならではの料理を味わうとともに、
朝拝などの寺社文化を体験することも可能です。
“泊まることで戸隠を知る”という旅ができるのも魅力です。
■ 宿坊 山本館(玉泉坊 善法院)

創業1,000年。
宝光社の麓から湧く「不動滝」は目の病に効くと信仰されてきました。
館内はすべて畳廊下でスリッパ不要。車いす対応の客室もあります。
浴室からは森の景色が広がり、静かな時間を過ごせます。
■ 常林坊(成瀬旅館)
木造の大きな建物で宿坊の面影を色濃く残す宿。
館内の神殿で戸隠神社の神様に参拝できます。
神仏混合の時代の名残が随所に見られます。
■ 武井旅館(覚住坊 福寿院)
一日二組限定の宿。
築280年の茅葺き屋根と手入れ
された日本庭園が美しい、
静かな宿坊です。
■ 宿坊 築山館(普光坊 普賢院)

昭和の大火後に再建され母屋の一部を
リニューアル。
多人数のイベントにも利用できる
柔軟な宿坊です。
■ 御宿 小谷(法林坊 法教院)

江戸時代の“おもてなし料理”を
再現した「戸隠古流祭礼御膳」が名物。
神職の家系で、戸隠神社に奉仕してきた歴史を持つ宿坊です。
■「戸隠古流祭礼御膳」とは?
心も体も整う『戸隠古流祭礼御膳』。
茶わん蒸しといえば卵がベースのイメージですが
卵の代わりに長いもを使用。
🌿 ■ 宝光社の町並みが持つ魅力
宝光社の町並みは、 中社よりも静かで、
どこか“暮らしの気配”が残っています。
- 石段を上ると感じる森の気配
- 宿坊の軒先に揺れる杉の香り
- 茅葺き屋根と白壁のコントラスト
- 朝の光に照らされる参道の美しさ
観光地というより、
“信仰と暮らしが重なり合う場所” という言葉が似合います。
宝光社は、戸隠の歴史と宿坊文化が最も色濃く残る場所です。
大火を乗り越えながらも、地域の人々が守り続けてきた町並みは、
歩くだけで心が静かになるような深い魅力があります。
中社の賑わいとはまた違う、
“戸隠の原風景”に触れられる場所です。
中社〜宝光社の散策ルート
中社から宝光社へ向かう道は、戸隠の町並みを
やさしく感じられる散策ルートです。
車道から一本入るだけで、町の喧騒が消え、 宿坊の並ぶ
静かな通りが続きます。
■ 中社前通りを歩き始める
中社の大鳥居を背に、ゆるやかな坂道を上っていきます。
《原山竹細工店の裏手にある大石灯籠で横大門通りと分岐する》
大石灯籠を過ぎるあたりから、
宿坊や旅館が通りの両側に
姿を見せ始めます。
ここからが、中社前集落の中心部。
茅葺き屋根、石垣、木塀が連なる“戸隠らしい町並み”が広がります。
■ 横大門へ向かう小路へ
冒頭の画像をごらんください。
大鳥居から右手の小路に入り、東へ向かうと横大門地区です。
振り返ると、森が集落に割り込むように広がり、 樹林や田畑を
挟んで宿坊風の古民家が並ぶ、独特の景観が見られます。
横大門は、かつて「戸隠講」の旅人を泊めた寺院が多く、
建物にどれも品格があり、静かな佇まいが残っています。
■ 横大門の宿坊をめぐる
横大門には、歴史ある宿坊が点在しています。
・金輪院(今井旅館) 270年前の主屋は神社仏閣建築そのもの。
幅1間の廊下に27枚の畳が敷かれ、当時の暮らしがしのばれます。
・常林坊(成瀬旅館) 木造建築の大きな建物で、宿坊の面影が
色濃く残る宿。 館内の神殿では戸隠神社の神様に参拝できます。
宿坊の佇まいを眺めながら歩くと、
“信仰と暮らしが重なり合う町”であることを実感します。
■ 手打ちそば「横大門」でひと休み
横大門には、地元の人に愛されるそば店があります。
手打ちそば 横大門
- 有名店ではないが、地元客が多い
- 冬場は23時まで営業
- 天ざる、辛味大根おろしそばが人気
- サービスの「そば団子」が印象的(外はカリッ、中はそばがき)
観光ガイドに載らない“地元の味”に出会えるのも、
この散策の魅力です。
■ 宝光社へ向かう参道へ
横大門から再び県道36号へ戻り、宝光社方面へ歩きます。
宝光社は戸隠神社の玄関口で、長い石段と杉木立が印象的です。
宝光社の参道に入ると、空気がふっと変わるような静けさがあり、
中社とはまた違う“柔らかな霊気”が漂います。
■ 宝光社の宿坊群を歩く
宝光社周辺には16の宿坊があり、 精進料理や戸隠そば、
朝拝などの文化を体験できます。
・山本館(玉泉坊 善法院)
1,000年の歴史。畳廊下が続き、森を望む浴室が魅力。
・武井旅館(覚住坊 福寿院)
一日二組限定。茅葺き屋根と日本庭園が美しい。
・御宿 小谷(法林坊 法教院)
「戸隠古流祭礼御膳」が名物。神職の家系が守る宿坊。
宝光社地区は二度の大火を乗り越え、 江戸時代の地割を
守りながら復興した地域です。
歩くだけで、地域の人々が守り継いできた歴史を感じます。
🌿■ 散策ルートのまとめ
中社の賑わいから横大門の静かな集落へ、 そして
宝光社の柔らかな霊気へ──。
歩くほどに景観が変わり、 戸隠の“信仰と暮らしの深さ”が
自然と伝わってくる散策ルートです。
- 歩行時間:ゆっくり歩いて 60〜90分
- 写真スポット:中社前通り、横大門、宝光社の石段
- おすすめ時間帯:朝〜午前中(光が柔らかい)
戸隠の町並みを味わうには、
この散策ルートが最も“戸隠らしさ”を感じられる道です。
400年の歴史を誇る“戸隠の竹細工”
「戸隠竹細工」は、江戸時代の初め頃から雪に覆われた戸隠の
冬の手仕事として、地域の人達の生活の中に始まり、
400年もの昔からその技術が継承されてきました。
今も30人程の職人さんがいます。
■ 井上竹細工店の大ヒット商品「コーヒードリッパー」
井上栄一さんは、竹細工職人になって40年のベテランです。
「根曲がり竹」は職人が山に入って採ってきて、半年以上かけて
乾燥させたものを使っています。
SKU: CD2755
直径:約125 深さ:約90
銀座の寿司屋から「茶こし」の製作を依頼されたことが
きっかけで生まれたとか。
「茶こし」同様にフィルターを使う
「コーヒードリッパー」にも応用出来るのでは?と思い立ち、
1年がかりで「竹のドリッパー」を商品化しました。
- 電話番号:026-254-2181
- 住所:長野市戸隠中社3416
■ 原山竹細工店
戸隠の名物といえば、「そば」。
根曲がり竹で編むそばざるは、信州のそば文化に欠かせない、
大切なアイテムです。
- 住所:〒381-4101
長野県長野市戸隠3393 - 電話:026-254-2098
戸隠観光情報センター
戸隠神社中社大鳥居の道向かいに位置。
近辺の詳しい地図などあり、観光するのに便利です。
参拝客の休憩所も兼ねていて、お茶やコーヒー等ものめるようです。
宿やカガミ池の行き方なども詳しく教えてくれます。
《さいごに》
中社から宝光社へ歩くと、信仰と暮らしが重なり合ってきた
時を感じることができます。
宝光社地区は、二度の大火を乗り越え、 地域の人々が力を合わせて
江戸時代からの地割を守り続けてきた努力が評価され、
重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
これは大きな名誉である一方で、 景観を守るための維持管理や
修繕には、住民の負担も少なくありません。
茅葺き屋根の葺き替えや、古い茅の処分も簡単ではなく、
地域の人々の手間と時間、覚悟によって支えられています。
それでも戸隠の町並みが美しく保たれているのは、
「この景観を未来へつなぎたい」という思いが
受け継がれてきたからです。
来年は、戸隠神社の式年例祭が行われます。
多くの人々が戸隠を訪れ、宿坊に泊まり、 この土地の歴史や文化に
触れてくださることを願っています。
宿坊に灯る明かりが増えることは、 町並みを守り続けてきた
人々への何よりの励ましになるはずです。
