お役立ち

「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」世界初公開の猫のミイラも!

 

大規模なミイラ展が、上野の国立科学博物館で開催。

古代エジプト研究のトップを走る大英博物館が所蔵するコレクションを

一挙公開し、これまでの研究成果をたどる。

見どころは、大英博物館が厳選した6体のミイラと猫のミイラも公開。

CTスキャン画像を用いた精密な映像資料から、

それぞれのミイラの生前の様子や

ミイラになるまでの道のりをひもといていく。

エジプトのサッカラ遺跡で発掘されている

「カタコンベ」という地下集団墓地を再現した実物大の部分模型は、

日本限定の特別展示だ。

「かつてのエジプト展」は、

ツタンカーメン王のような有名な人物に

スポットが当てられてきましたが、

今回はさまざまな社会でそれぞれの時代に生きてきた

一般人たちを展示していることが特色。

2021年の秋冬は、謎多きミイラに会いに行ってみては。

下記クリックで好きな項目に移動します☆

最新強力CTでわかる6人の素顔

 

今回、ロンドンの大英博物館が

日本を皮切りに始まる国際巡回展のため6体のミイラを選び、

最先端で非常に強力な「デュアルエナジーCT」装置を用いて

包帯を解かずにかけました。

撮影数は1体につき約7千枚。

繊細な皮膚や繊維、緻密(ちみつ)な骨格の両方を

捉えることが可能になっています。

 今回来日したのは、

紀元前800年ごろから後100年ごろにかけて、

古代エジプトの各時代を生きた、

役職も死亡年齢も異なる6体のミイラだ。

 

6体のミイラは

① 「アメンイリイレト テーベの役人」

② 「ネスペルエンネブウ テーベの神官」

⓷ 「ペンアメンネブネスウトタウイ 下エジプトの神官」

④ 「タケネメト テーベの既婚女性」

⑤ 「ハワラの子ども」

⓺ 「グレコ・ローマン時代の若い男性」

① 「アメンイリイレト テーベの役人」

 

カシュタ王の娘アメンイルディスの所領を管理していた役人。

名前 アメンイリイレト(男性)

死亡推定年齢 35歳~49歳

生前推定身長 164.3㎝前後

死因 心血菅疾患

豪華なビーズネットが胸から足首を覆うように置かれていた(展示品)。

テーベ現ルクソール)は、ナイル川沿岸に位置し、

1979年に世界遺産に登録されている。

太陽神であるアメン神信仰の総本山として栄え、

古代エジプトの芸術や宗教を物語る数々の遺跡で名高い。

 

② 「ネスペルエンネブウ テーベの神官」(男性)

 

テーベで最も重要なカルナク神殿の神官で神様が安置されている

祠(ほこら)の扉を開け、聖油をささげることが仕事。

死亡推定年齢 35歳~49歳

生前推定身長 165.8㎝前後

死因 心血菅疾患 歯の強度の摩耗

⓷ 「ペンアメンネブネスウトタウイ 下エジプトの神官」(男性)

 

エジプト北部で暮らしていたペンアメンネブネスウトタウイも神官。

ミイラには本来ないはずの脳が残っており、

ミイラ職人が独自の技法を開発していたと思われる。

死亡推定年齢 35歳~49歳

推定身長 167.8㎝前後

死因 心血菅疾患 歯疾患

④ 「タケネメト テーベの既婚女性」

 

 タケネメトは今回の展覧会では唯一の女性のミイラだ。

父は神殿の出入りを管理する門番。

死亡推定年齢 35歳~49歳

推定身長 151.5㎝前後

死因 心血菅疾患 歯疾患

 

凝った装飾を施した3重の棺に納められていて、その棺も登場します。

 

⑤ 「ハワラの子ども」(男児)

 

彼がエリート家族の

員だったということ。

瞳の大きな男の子。

死亡推定年齢 3歳~5歳

推定身長 81㎝前後

死因 特になし

⓺ 「グレコ・ローマン時代の若い男性」

 

6体の中では一番新しいグレコ・ローマン時代の若い男性のミイラです。

名前 不明

死亡推定年齢 17歳~18歳

推定身長 162.9㎝前後

死因 特になし

 

 

 

それと、今展では護符も多く展示されていました。

どれも小さくて可愛らしく、思わず集めたくなるデザインです。

死後の再生を願いミイラを制作 包帯の下には護符や装身具も

 

人は亡くなると、自然に腐敗していきます。

ミイラとは、生前に近い状態で残され、

この腐敗の作用が止まった遺体のことです。

古代エジプトでミイラが作られた理由とは?

 

来世で復活するには肉体が必要と考えられたため、

亡くなった人を人工的にミイラにして肉体を残そうとしたのです。

ミイラ加工を施していた当初は裕福な人たち、王様や王族のみでした。

時を経て、広く庶民にも浸透していきました。

ミイラとなった遺体は祖先崇拝の対象とされ、

子孫を見守る存在と考えられました。

再生への強い執着

 

死んだ人は肉体と魂に分かれ、魂は最後の審判を受けます。

その後、魂は再び肉体に戻ってくるので、肉体が残っていなければ、

再生はできません。

再生を強く願う古代エジプトの人々は、魂の入れ物である肉体を

ミイラにして保存しようとしました。

 

ミイラ職人による加工処理方法

 

遺族は遺体をミイラ職人の元へ運び、

ミイラの製法や料金について説明を受けます。

その後、遺族が加工方法を決めました

上級・中級・下級の3段階


ミイラの加工処理方法は、上中下の3コースがあったと言われます。

あくまで一例ですが、

《上級コース》・・・最も手が込んでおり、高価。

① 遺体を洗浄後に内臓・脳を取り出して没薬などを詰め込む。

② 乾燥・防腐作用のあるナトロンに約70日間浸す。

⓷ 水分が抜けたら洗浄する。

④ 化粧・整髪をして装飾品を付ける。

⑤ 樹脂や香料を塗りながら細長い麻布を巻き付ける。

 

ナトロンは、エジプト人が腐食プロセスで使用した重要な防腐剤。  

具体的には・・・塩化ナトリウム(食塩)、炭酸ナトリウム、

重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等。

肉の中の水分を乾燥させ、それによって細菌の増殖を抑制する

 

《中級・下級コース》

まず、処理方法が簡素化されます。

中級:内臓を摘出せずに油を流し込んでナトロンに約70日浸す。

下級:下剤で腸内を洗浄してナトロンに約70日浸す。

古代エジプトの装身具・・・種類 デザイン

 

死者を保護し、永遠の命を得る手助けをすると信じられている、

数多くの護符や装身具が包帯のなかに配置されていることや、

それらの種類・材料も明らかになったのです。

 

古代エジプト人は、日常生活や葬送に際して頻繁に

装身具を利用しました。

その種類を挙げてみると、

頭飾り、髪飾り、耳飾り、首飾り、指輪、腕輪、腰飾り、足輪など、

あらゆる装身具が存在しており、デザインが、豊富だったのです。

特に重要視された首や胸部を飾るもの

 

古代エジプトに特徴的な装身具一つとして挙げられるのが襟飾りです。

襟飾りとは、

大量の円筒形ビーズを

何段も連ね、その両端をターミナルと呼ばれる

大型のビーズで固定した装身具です。

また、木棺のふたの内側やミイラマスクに描かれる装身具でした。

 

また、襟飾りと同じく古代エジプトに特徴的な装身具として、

ペクトラル

 

が挙げられます。

これは、方形や祠(ほこら)の形をした大型のペンダントで、

首にさげて使われました。

王女の墓から見つかったペクトラルは、

古代エジプトの装身具の中でも最高傑作と言われるほどで、

ペクトラルは王族以外の墓から見つかるようになりました

緑色は植物の芽吹き、

青色はナイルの水、

金は神の肉体を表す、といったふうに、

古代エジプト人は「いろ」にも

呪術的な力が宿ると信じていました。

日本限定特別展示「サッカラ遺跡」!

 

日本人がどのように古代エジプト文明に関心を持ち、

調査・研究を続けてきたのかという内容の展示です。

2019年に日本の調査隊が発見し、現在も調査が続いている

サッカラ遺跡のカタコンベ(地下集団墓地)を

実寸大の部分模型で再現するなど、日本独自の展示も行います。

カイロ南方のサッカラ遺跡で2500年以上前の

古代のひつぎが100基超発掘され、

大量のひつぎは木製で、深さ12メートルの穴3か所から出土。

《サッカラの発掘現場》

2021年1月17日の日曜日、エジプト・カイロ南部のサッカラで撮影されたニアリット女王の埋葬殿の発掘現場。(AP通信)

サッカラ遺跡のカタコンベを実寸大の部分模型で再現!

通常は入ることのできない、発掘調査中の遺跡内部が見られますよ。

日本だけの特別展示「猫のミイラ」も初公開!

国立科学博物館蔵 猫のミイラ

これは、日本人として初めて

ツタンカーメン王の墓を訪問した、

徳島藩の18代当主

蜂須賀正氏(はちすかまさうじ)氏が、

エジプトで入手し

国立科学博物館に寄贈したものです。

ABOUT ME
yumiko
パソコン初心者のシルバーエイジです。自分で言うのもおかしいですが、それほど世の中の常識にとらわれることなく前向きなほうです。言い換えればマイペースです。猫2匹と暮らし、近所の犬とも無条件の信頼でつながっています。