深堀隆介は愛知県立芸術大学を卒業後、
芸術家としての活動に悩んでいた時期に
自宅の水槽の金魚の持つ神秘性に魅かれ、
金魚をモチーフにした制作活動を続けており、
今では国内外で個展を開き、活動の幅を広げています。
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金魚絵師「深堀隆介(ふかほり りゅうすけ)」
深堀の創作技法は
器の中に透明樹脂を流し込み、
表面にアクリル絵の具で金魚を部分的に描き、また樹脂を重ねる。
同じ作業を繰り返し、絵が重なり合うことで、
出来上がったものを上からみると
まるで生きている・・・!?、泳いで・・・ない!? と
生き生きとした立体感のある金魚が浮かび上がっています。
深堀隆介プロフィール
■ 1995年 愛知県立芸術大学メディアデザイン専攻学科卒業。
■ 卒業後はディスプレイ会社に勤務に勤務している時に
アクリル樹脂と出会う。
■ 2000年 スランプに陥っていた学生時代の夏に、
屋台の店主からいらない金魚を譲り受ける。
本人は粗末に飼育していたが、
■ ある日、「ああ、もう美術なんてやめてしまおう。」と思った。
金魚に自分が救われたということで「金魚救い」
自室で寝転がった時、
ベッドの横にあった小さな水槽が目にとまった。
そこには七年前夏祭りですくってきた金魚が一匹いた。
■ それでも7年間生き残っていた金魚を見たときに
初めて金魚に魅了され、そこから金魚の作品の制作が始まる。
本人はこの出来事を『金魚救い』と呼んでいる。
冒頭の画像をごらんください。
■ 2003年 アクリル樹脂を利用した、
現在でも本人の代表作でもある「金魚酒」が、
ターナー・アクリル・アウォード2003で、入賞。
アクリル樹脂
代表的なプラスチックの一種。
アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体で、
透明性の高い非晶質の合成樹脂。高い透明性・耐衝撃性がある。
深堀隆介が「金魚救い」を試した最初の技法とは?
日本一の金魚の産地 愛知県弥富市
生産地としてだけではなく、
流通拠点としても国内有数の市場で、
日本にいる金魚の全品種である約26種類が
すべて弥富でそろう一大産地です。
夜店の金魚すくいは「世界でも日本にしかない文化」です。
弥富金魚の歴史
弥富金魚の始まりは、約150年前にさかのぼります。
ある郡山の金魚商人が、東海道五十三次の熱田の宿にいく道中、
弥富の宿場で金魚を休ませる池を作って放したところ、
その愛らしい姿に魅せられた寺小屋の権十郎がぜひにとこれを購入し、
飼育を始めたことが始まりとか。
やがて明治に入り、佐藤宗三郎によって採卵・孵化(ふか)が成功、
本格的な養殖が始まりました。
日本一の金魚の産地を支えたのは、
ここ一帯が木曽川下流で、水量・土質共に
金魚に最適だったことが由来といわれています。
深堀隆介の金魚感
「美しいと思った、そのとき初めて金魚の美に気付き、
値段で言ったら多分一番安く、ただ赤いだけの金魚で、
水替えもろくにしていない汚い水槽の中に、
赤く光る背筋がとても美しくて、どんな高価な魚よりも美しく見えた」
そうです。
「20cmぐらいの大きさになり、25cm程度の小型水槽にいたので、
身動きがとれないような状態でした。
餌をずっとあげなくても、どんな状況であっても死ななかった。
高価で美しい金魚は世の中にたくさんいても、
あの金魚が僕にとっての金魚なんだと思いますね」。
東京で金魚の作品の個展を開いた記念すべき日に、
その金魚は死にました。
金魚は飼い主に幸福を与えて死んでいくということが
よく言われるのですが、本当にそんな気がします。
深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」
上野の森美術館
2021年12月2日(木)~2022年1月31日(月)
開館時間 Open 10:00,
Close 17:00(16:30)
休館日 12月31日(金)、1月1日(土)
前売券(12月1日まで販売)
一般1,400円
高校・大学生1,100円
小・中学生600円
当日券
一般1,600円
高校・大学生1,300円
小・中学生800円
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル 9:00-20:00)
URLhttps://www.kingyobachi-tokyo.jp/
深堀隆介展では樹脂作品だけでなく、
屏風絵やスケッチ、大型アートなど
300点が展示されます。
《屏風 金魚の間》
金魚に命が宿る!アクリル絵の具とエボキシ樹脂の組み合わせ
アクリル樹脂を利用し金魚を描いた作品が有名で、
木曽檜枡(きそひのきます)に金魚を描いたアクリル樹脂作品
『金魚酒』が代表作。
アクリル樹脂は「超難黄変エポキシ樹脂」、
金魚を描く際の色付けは「アクリル絵具」を使用し、制作する。
超難黄変エポキシ樹脂
エポキシの黄変の原因は主に紫外線なので、
紫外線がエポキシに当らないようにすればよいのです。
アクリル絵具
アクリル絵具は
石油から合成されるアクリル樹脂を媒体として開発された絵具で、
主な特徴として【水で溶く】【早く乾く】【ひび割れしない】など。
一般的にはダイソーで100円なのに発色がよく好評です。