春の七草は1月7日に七草粥にして食べることで有名ですが、
実は、秋にも七草があります。
春の七草とのちがいは、 秋の七草は食べるものではなく観賞用 で、
それだけに可憐な花が多いです。
長瀞町に点在する七草寺には、
万葉集にうたわれた秋の七草が咲き誇ります。
風光明媚な景色を眺めながら、花を観賞・散策してみませんか。
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長瀞秋の七草寺めぐりの概要
長瀞秋の七草寺めぐりは、
秩父長瀞町にある7ヶ寺で構成される秋の七草めぐりです。

- ◆ 洞昌院 (萩・~9月下旬)野上駅から徒歩20分
◆ 道光寺(尾花・9月上旬~10月下旬)樋口駅から徒歩10分
◆ 遍照寺(葛・~9月下旬)野上駅から徒歩40分
◆ 不動寺(撫子・~~10月)長瀞駅から徒歩15分
◆ 真性寺(女郎花・9月下旬)野上駅から徒歩10分
◆ 法善寺(藤袴・~10月末)野上駅から徒歩15分
◆ 多宝寺(桔梗)野上駅から徒歩10分
- コース (一般向き)行程約13キロ 歩行時間約4時間
長瀞駅→不動寺(撫子)→真性寺(女郎花)→法善寺(藤袴)→多宝寺(桔梗)→洞昌院(萩)→遍照寺(葛)→道光寺(尾花)→樋口駅
撫子(なでしこ)の寺 不動寺
長瀞山五大院 不動寺 真言宗醍醐派
《アクセス》
宝登山神社の鳥居が目標です。
宝登山神社まできたら、左折し、
宝登山ロープウエイ駐車場に
向かい、駐車場の一番奥が
不動寺の入口です。
駐車場は不動寺に来たことを言えば、無料です。
こちらは撫子の寺。
可憐なピンクの花をつける撫子は日本人女性を象徴する花です。
サッカーのなでしこJapanも有名、大和撫子なんて言葉もあります。
女郎花の寺 真性寺
東谷山 真性寺真言宗智山派
《アクセス》
長瀞ビューテラスの前を通り
一度真性寺の脇を通り過ぎてから
車の通行可能な幅の路地を右折。
たけのこ保育園の前を右折すれば突当りが真性寺です。
徒歩の場合は長瀞オートキャンプ場から歩行者専用の橋を渡れば近道。
真性寺では、参道脇などに高さ1メートル50センチほどもある約2500本
のオミナエシが植えられ、白いオトコエシ(男郎花)も
少し咲いている。
オミナエシは7月中旬ごろ10月上旬まで楽しめ、
七草の中でも楽しめる期間が一番長い
藤袴の寺 法善寺
金嶽山法善寺 臨済宗妙心寺派
《アクセス》
荒川を渡り、突き当たり十字路「井戸」を右折すると
左側に法善寺の駐車場。

名前の由来は花の色が藤色を帯び、花弁の形が袴のようであることから、
「藤袴」の名が生まれたそう。
キク科の多年生植物で環境省の準絶滅危惧種に指定されている。
七草の一つなのでこのお寺をたずねてみることができた貴重な花。
桔梗の寺 多宝寺
金玉山多宝寺 真言宗智山派
《アクセス》
国道140号線を秩父方面に進むと
左側に「七草寺桔梗の寺」の看板。
「中の上」の信号を左折して
県道287号線に入ります。
宿根草で淡い青紫色の花が可憐に咲く。
ここ多宝寺には紫と白の桔梗が植えられており、いっせいに開花すると
大変見事。
山上憶良が詠んだ歌の中の「あさがおの花」が桔梗を指していると
言うのが定説。
萩の寺 洞昌院
不動山 城山寺洞昌院 真言宗智山派

《アクセス》
「萩の寺」の看板に従って進み、
新井ビニール工場のある四又路に
出てから左斜め前方にいくと、
右側に洞昌院の駐車場あり。
参道の左右が萩で埋め尽くされています。
本堂前より圧巻!洞昌院は関東三十六不動尊の札所で
常に人の出入りがあります。
葛の寺 遍照寺
野上山金剛院 遍照寺 真言宗智山派
《アクセス》
国道140号線を秩父方面に進み、「射撃場入口」
の信号を右折、「葛の寺」の看板に従って
また右折、県道287号線を間瀬峠方面に
上っていきます。
800m先駐車場の看板を見て登っていきます。
左側に舗装なしの坂道があるので、そこを分岐、悪路です。
葛の花は茎が10メートル以上ものび、
紫色の花を咲かせます。
葛の寺にふさわしく、8メートルほど
の葛の花のトンネルがあり、
甘い香りを漂わせています。
言われている漢方薬の葛根湯や、くずきりや葛餅など和菓子の
材料など大活躍で我々の生活の中でも身近な存在なんだ!
尾花の寺 道光寺
吉祥山道光寺 臨済宗妙心寺派

《アクセス》
樋口駅手前で秩父鉄道の踏切を
渡り、荒川を渡るとT字路に
当たり、左折し、左側に見えて
くるお寺です。広い駐車場あり。
山門を入ると愛らしい六地蔵が迎えてくれます。
こちらのお寺の尾花は35種類にも上るのだとか。
長い穂が風に揺れる姿は風情があります。
穂の中の種子が、風で飛ばされて次の生命に受け継いで行きます。
ススキは十五夜の飾りとして団子や果物などと一緒に供えられますが、
これは秋の実りの象徴である稲穂の代わりなのだそうです。
外国の尾花もあります。
車のほこりをはらいたくなるような形をしています。
秋の七草の成り立ちって?
それは万葉集で詠まれた山上憶良の歌二首が始まりだと言われています。
秋(8~10月)に花野に咲く七種類、憶良にもこの季節、
歌に詠むくらいよく目についたのでしょう。
その歌は、
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花(をばな)葛花(くずはな) なでしこが花
をみなへし また藤袴(ふぢはかま) 朝顔(あさがほ)が花」
山上憶良がこの歌を詠んだのが約1200年前。
その時代に鑑賞され、楽しまれていたものが、
気象の変化もありながらも、現代にも残って、
鑑賞され続けられているってスゴイことですよね!
長瀞七草寺の成り立ちって?
は、昭和60年(1985)から始まり、
秩父札所の中に長瀞町の寺院がないこと、
全国に花の寺は数多くあったが秋の七草を植えた寺はなかったことから、
長瀞観光の一つとして出来上がったものです。
《さいごに》
という訳で、なんと一日で秋の七草が見られるそれぞれ一草を
売りにしているお寺が七寺あります。
ライン下りやフルーツ狩り、羽生・熊谷と長瀞・秩父・三峰口を結び、
人気のSL列車パレオエクスプレスも走る秩父鉄道の、
秋の観光企画のひとつでもあるようです。
私個人的には藤袴と尾花に感動、とくにすすきは立派な花なんだと
思いました。