2024年1月1日の「能登半島地震」で被災した「のと鉄道」、
社員の多くが避難生活を送りながら修理や点検などにあたり、
4月、全線で運転を再開しました。
その年9月から運行している
「語り部列車」を「のと里山里海号」に変更、
車内には「語り部アテンダント」が乗車し、
沿線3か所(ビュースポット2か所、被災状況場所1か所)の案内や
地震当時の様子を、自身の体験談として案内します。
現在の能登と、震災での教訓を紹介、「地震をくわしく知りたい!」
「能登の人を励ましたい!」「能登を応援したい!」という方は、
ぜひ乗っていただきたい列車です。
下記クリックで好きな項目に移動します☆
のと鉄道「震災語り部観光列車」穴水~七尾(8駅)
列車は37席×2両で、全席指定席です。
(オレンジシートの里山車両とブルーシートの里海車両)
能登の工芸品を身近で見ることができる車内は美しく、
ゆったりとした時間を過ごすことができる作りになっています。
目の前に広がる能登の美しい自然が見やすい座席配置、
家族連れやグループなどでワイワイとした時間を過ごす
ことができるボックス席も用意されています。

《運行日 》
7月19日~8月31日までの土日祝
上り
穴水 08:46 → 和倉温泉 09:28 → 七尾 09:35
穴水 12:02 → 和倉温泉 12:50 →七尾 12:56
穴水 14:14 → 和倉温泉 14:58 → 七尾 15:08
下り
七尾 09:59→和倉温泉 10:05 → 穴水 10:50
七尾 13:12→ 和倉温泉 13:19 → 穴水 14:04
七尾 15:24 →和倉温泉 15:30 → 穴水 16:16
《料金 》
七尾〜穴水間:大人 1,750円・小人 1,330円
和倉〜穴水間:大人 1,590円・小人 1,250円
「のと語り部列車」の起点である七尾駅は、金沢駅から特急で約50分
普通列車で約90分でアクセス可能、日帰りでも大丈夫。
《予約方法》乗車の1か月前から、電話、穴水駅窓口、
のと鉄道観光列車予薬センター 0768-52-2300
(乗車前日 12時まで)
三陸で学んだ のと鉄道「震災語り部アテンダント」

岩手に出向いたのは宮下左文(さふみ)さん(67)、
牛上智子さ(47)、坂本藍さん(44)。
いずれも自宅が損壊し、避難所生活を強いられたり、
仮設住宅に入居されたりしています。
語り部列車で能登半島地震の被害状況を説明する主任列車客室乗務員の
宮下左文さん(写真右)
「左手の急勾配の坂をご覧ください。あの白いガードレールに沿って、もう本当に逃げることで頭がいっぱいでした」。2両編成のディーゼル列車に揺られながら、宮下左文(さふみ)さん(67)は乗客に向き合い、「あの日の記憶」を語り始めた。
あとで読み返すことができるパンフレットは配らず、
パネルを見せながら、臨場感をこめて自分の言葉で説明する。
崩れてしまった白米千枚田を有志の力で復活させた話では、
改めて知る白米千枚田(しろよねせんまいだ)の魅力

白米千枚田は、2011年に「能登の里山里海」として
世界農業遺産に登録され、伝統的な農業技術
(昔ながらの手作業で米作りが行われてきたもの)
と自然環境が共存していることを評価されたもの。
完全な回復にはまだまだ時間を要すると見られています。
それと水路の再整備や土壌の安定化、観光向けに
安全確保など、するべき課題も山積です。
それでも白米千枚田はこれまでも多くの困難を乗り越え、
保護されてきた場所です。
ビュースポット⓵ 能登中島駅
能登中島駅を出発すると、
ビュースポットの深浦漁港で一時的
に停車、波が静かでのどかな漁港の
様子をご覧ください。
能登中島駅では10分ほど停車します。 全国でも珍しい
「鉄道郵便車」を観光するためです。
鉄道郵便車「オユ10 2565」
かつては郵便物は鉄道での輸送が
メインでした。
「のと里山里海号」に乗車すると、
能登中島駅にて郵便列車内の見学も可能。
このポストに手紙を投函すると、特別消印で届けてくれます。
《列車内》
冷房・電機暖房・耐寒改造車でホームから見学用スロープで
行けるようになっています。
ビュースポット② 能登鹿島駅「能登さくら駅」
列車が入ると歓声があがる人気スポッ ト。

駅周辺では、桜越しに見える七尾湾の風景が絶景で、
桜は昭和7年の駅開業を祝って地元住民がホーム沿いにソメイヨシノ
を植えたのが始まり、約110本が春になると「桜のトンネル」を
つくり、普段は乗降客平均4人の無人駅に出店が並び、
多くの観光客で混雑するところです。
関係者たちは「桜が咲くころまでに全線で運転を再開したい」という
強い思いで、復旧工事を急ピッチで進めました。
特に、学生や社会人の新生活が始まる4月に向けての復旧は、
地域の人々にとっても重要な課題でした。
ビュースポット③ 穴水
駅近くでは能登ならではの原始
的な漁法「ボラ待ちやぐら」
を見ることもできます。
かつてボラ漁の盛んだった
七尾湾穴水周辺。
ボラは警戒心が強いため、漁師はこの櫓の上から海底に張った
フクロ網の上を通るのを待ち、網を通るとすぐさま引き上げる。
のと鉄道「道の駅あなみず」
穴水町は相撲取りである
遠藤関の故郷でもあり、さまざまな
遠藤関グッズも購入できます。
《最後に》
「世界農業遺産」への登録に代表されるように、
能登の人は自然と共に生きてきました。
これまでも、能登半島は幾多の困難を乗り越え、
今の能登がかたちづくられています。
これから先も、美しく強い能登は続いていきます。