催し物

「西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展」 たばこと塩の博物館百~数十年前の約90点を 初公開!

 

羊飼いの文化、

民族に伝わる羊毛のハンドクラフトを習う日々から

遊牧民が生活をした西アジアの大地はいまや戦禍のただなかにあります。

100年~数十年前までに制作された遊牧民の作った絨毯は圧巻です。

遊牧民にとっての塩は、

人間の食用よりもまず、

家畜のためのミネラル栄養として重要なものでした。

この「特別展」では、

自然に包まれる生活の豊かさを教えてくれる

西アジアのバルーチ族・カシュガイ族・クルド族の伝統染織による

塩袋とじゅうたんの紹介です。

こうした遊牧民の知恵や手仕事そのものが生きた芸術で

あるように思えます。

下記クリックで好きな項目に移動します☆

西アジア遊牧民の絨毯と塩袋

 

遊牧は、雨が少なく、農産物が育たないような地域でみられる生業です。

移動を伴うのは、雨のあと一時的に植物が生える場所を求めて、

家畜とともに移動するからです。

専用の塩袋を作るのは、

イラン・アフガニスタン・パキスタンにかけて動く

バルーチ族やカシュガイ族、クルド族など

西アジアの遊牧民だけのようです。

遊牧民は、絨毯(ギャッベ)やキリムのような敷物、

家財道具を収納・運搬する袋、テントといった日用品も

畜産物で作りますが、

伝統的に、各部族を象徴する紋様を羊毛で織り込んだ

凸字形をしている塩袋(ナマクダン)も同様に制作伝承してきました。

3つの地域に分かれるバルーチ族

 

バルーチ族は乾燥地帯とオアシス都市を移動しながら

イランとアフガニスタンの国境地区に住んでいます。

 

 彼らは、カーペット製造と一緒にお豆腐屋さんの娘のブログ。-鶏スマック1

農業、羊、ヤギやラクダの飼育で

生計を立てています。

現在市場に出てくる絨毯の多くは

バルーチ系の人々によって織られるものがほとんどです。

「バルーチ」という言葉の意味は、

クルド語の鶏のトサカに由来すると言われ、

鳥文様の絨毯を好んで織るそうです。

トルコ系遊牧民カシュガイ族

 

ザクロス山脈で遊牧生活をしている5つの民族

のことをまとめてカシュガイ族と呼びます。

カシュガイ族の民族性 と独自性

 

彼らは”カシュガイ族”という民族性、独自性に

大きな誇りを持っています。

家族を大事にする、人に優しく親切にする、他人と争わない、

約束を守る・・・など、

現地を訪れた外国人の多くは感銘を受けるほど。

これらの背景には、

大自然の厳しい生活環境の中では相互扶助無しには

生きていけなかったという事情が挙げられます。

ギャッベは悲しみを忘れるために織り、喜びを忘れぬために織る

 

ただの趣味や仕事ではなく、「鳩のギャッベ」

遊牧民の女性にとってギャッベを織ることは

人生におけるライフワークでもありました。

悲しいことがあっても手を動かしていれば気持ちは紛れるし、

嬉しいことがあっても何か記録しないのでは

いつか忘れ去ってしまいます。

クルド族

 

イラク〜シリア〜トルコ〜イランに

はるか昔から生活していたのがクルド民族です。

その居住地はクルディスターンと呼ばれる。

「ワラビスタン」埼玉県蕨市在日クルド人

 

中小の町工場が軒を連ねている事から、

外国人労働者が多く、外国人への偏見が少ない土地柄と言われる。

特に中東の弾圧から逃れたイラン人やクルド人が多く、

知人や家族も呼び寄せ居住。

蕨市を「ワラビスタン」と呼ぶ。

日本とトルコの間には相互ビザ免除制度が適応されている

 

ために、 観光ビザ で入国し、ビザの期限が過ぎても滞在し、

難民申請を行うケースが多い。

赤を基調にしています。

自然界のさまざまな物が

文様となって織りこまれ、

柔らかさが特徴。

 

「ギャッベ」も絨毯と同様に毛足があり大型で敷物に使われます。

ただ、ギャッベは遊牧民の生活にあわせて、

折りたたんで運んだり、敷くだけでなく掛けたりもできるように、

一般的な絨毯よりも柔らかく織られているのが特徴です。

「キリム」は毛足のない平坦な織物です。

こちらも持ち運びに便利。

最も遊牧民らしい道具「塩袋=ナマクダン」

 

実はこの不思議な凸形には特別な意味があるのです.

遊牧民の塩袋は家畜が必要とする塩を入れる袋です。

家畜が袋に首を深く突っ込まないように口の部分が狭くなっています。

遊牧民が飼育する家畜は草食動物です。

草食動物は、餌となる植物がほとんど塩を含まないので

とても塩欲求が強く、

家畜(草食動物)をコントロールする塩

 

家畜は囲われたり、つながれたりしていません。

人間とともに遠くに移動するには、

群れ全体をコントロールするための“しかけ”のひとつが塩なのです。

人間が塩を持っており、ときどき与えてくれることが分かれば、

家畜は、人間の近くにとどまってくれ、

一緒についてくるので、群れ全体の誘導もできます。

各部族の塩袋の特徴

 

日常の道具である袋に、

これだけの美しい仕事をするということです。

この塩袋を作った女性は、どんな想いでいたのでしょうね

バルーチ族の塩袋

バルーチ族の塩袋は、

他の部族のものに比べて渋い、

落ち着いた濃い色合いをしているのが特徴です。

織り込まれた幾何学模様は、

日本の家紋に相当するような意味を持ち

婚礼の時の嫁入り道具でもあるのです。

カシュガイ族の塩袋

 

2012年、カシュガイ族の手織りの技術が

ユネスコ無形文化遺産に録されました。

カシュガイ族の毛織物は

お尻に脂肪を貯める良質な羊毛と

染色に大きな特徴があります。

この羊の毛には腰と艶があり、毛足も長く、

織物に適しています。

もう一つは染めに必要な植物が豊富で、染色技術が高いこと …。

クルド族の塩袋

 

しっかりした縫い取り織の

幾何学モチーフの塩袋が織られています。

《西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展》

会期:2022年2月26日(土)~ 5月15日(日)

会場:たばこと塩の博物館(東京都墨田区横川1-16-3)

東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩8分

休館日:毎週月曜日

開館時間:10時~17時(16時30分入館締切)

料金:一般・大学生 100円、小・中・高校生・満65歳以上 50円

ABOUT ME
yumiko
パソコン初心者のシルバーエイジです。自分で言うのもおかしいですが、それほど世の中の常識にとらわれることなく前向きなほうです。言い換えればマイペースです。猫2匹と暮らし、近所の犬とも無条件の信頼でつながっています。