参拝 神社仏閣

山梨国宝「大善寺」ぶどうを持つ薬師如来と個性豊かな仏様2023年御開帳!

 

中央本線 勝沼ぶどう郷駅の南へ約1.5km の国道20号沿いに,

真言宗 柏尾山大善寺があります。

通称 ぶどう寺。

高台にあるので、甲府盆地や南アルプスを一望できる、

眺めの良いお寺です。

大善寺の本尊は薬師如来であり日光・月光菩薩を含めた三尊像は

5年に1度、わずか1週間の期間ながら開帳されています。

ここでは、国宝の薬師堂、葡萄薬師、薬としての甲州ぶどう、

そんな記事を書いてみました。

下記クリックで好きな項目に移動します☆

 大善寺薬師堂(本堂)(鎌倉時代)国宝

 

柏尾山 大善寺は、奈良時代のお坊さん「行基(ぎょうき)」が718年に

開山した真言宗智山派(しんごんしゅう ちざんは)のお寺です。

拝観時間 4月〜11月 9:00〜16:30 12月〜3月 9:00〜16:00

拝観料金 大人 500円 子ども 300円

構造は?

 

桧皮葺き(ひわだぶき)寄棟造り(よせむねづくり)で

本堂内部の柱に「弘安九参月十六日(1286年)」の文字が刻まれ、

築年が特定できることで、国宝に。

 

大善寺本堂には、

あらゆる病気を癒してくれるという

薬師如来が祀らています。

 

薬壺を持っているはずの手に

ぶどうなのです。

通常は秘仏として厨子に納められていますが、

5年に1度のご開帳では拝見することができます。

 

しかしぶどうは薬効があると教えてくれたのが薬師如来であり、

この薬師如来から勝沼のブドウ栽培が始まったという説も・・・、

葡萄畑

 

行基が近くにある、日川渓谷で修行をしていた際、

ぶどうを持った薬師如来が夢の中に現れたため、

その姿の仏像を自分の手で造り、後に大善寺が建設されたと

言われています。

仏教の法典に「葡萄は諸病を治す法薬なり」との記述があり、

法薬とは 仏法を民衆の悩み・苦しみを救う妙薬にたとえていう語で

教えという薬。

また、行基は周辺住民にぶどうの作り方を伝え広めたことから、

大善寺は甲州ぶどう発祥の地と言われ、

別名「ぶどう寺」とも呼ばれています。

開山1300年以上 大善寺秘仏公開!

 

 

《御開帳期間》

令和5年 10月1日(日)~10月8日(日) 

9:00~16:30(受付は16:00まで)

10月7日(土)のみ 9:00~15:00(受付は14:30まで)

《拝観料》

大人 1,000円  小・中・高校生 500円

 

日光月光菩薩立像(にっこう がっこうぼさつ)!

 

日光菩薩・月光菩薩は、薬師如来の脇侍(きょうじ)として

薬師三尊として祀られている仏様です。 

日光菩薩は太陽のように光を照らして苦しみの闇を消すといわれ、

一方の月光菩薩は月の光のようなやさしい慈しみの心で

煩悩を消すといわれています。

f:id:butsuzodiary:20181106204452j:plain

《1227年 日光菩薩(右)248.0cm、月光菩薩(左) 247.0cm》

十二神将(じゅうにしんしょう)

 

f:id:butsuzodiary:20181007182853j:plain

 

十二神将は、薬師如来を信仰する者を守護するとされています。

薬師如来の十二の願い

第一大願 光明普照 世界中を自らの体から発する光明で照らし、あらゆる人を悟りに導く
第二大願 随意成弁 清らかで透き通る光で、世界の暗闇を照らし、人々が思うように仕事に励めるようにする
第三大願 施無尽仏 智慧の救いのために、人々が必要とするものは、すべて施す
第四大願 安心大乗 道を外れ邪道を行くものを正しい仏の道を行けるように正す。
第五大願 具戒清浄 戒律を破ったものも、薬師如来の名を聞いて、一所懸命に念じれば清浄にかえり、悟りに至るように救う
第六大願 諸根具足 生まれつきの障害や病苦は心から念ずれば治癒する
第七大願 除病安楽 貧困・困窮をし、病苦に苦しむ時も薬師如来の名を聞けば、病苦を取り除き、貧困からも救い悟りに至るように救う
第八大願 転女得仏 女性が苦しみ、男性になって悟りを得たいのであれば、一所懸命に念ずればその願いを叶える。
第九大願 安心正見 精神的な苦しみや煩悩によって見えなくなっていても、それらの魔を取り除き悟りに至るように救う
第十大願 苦悩解脱 国の重圧などに苦しむ人々の苦しみを取り除く
第十一大願 飲食安楽 飢えや渇きといった苦しみから救う
第十二大願 美衣満足 生活の困窮で苦しむ時、一所懸命に念ずれば救う

 

十二神将は、薬師如来の十二の大願(上記)に応じて、

それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を

守るということで十二支があります。

薬師如来が人々を救うために12の願いを立てたことを聞いた

12の夜叉たちは、薬師如来をサポートすることを決意します。

十二神将メンバー

 

毘羯羅(びから)大将:子
招杜羅(しょうとら)大将:丑
真達羅(しんだら)大将:寅
魔虎羅(まこら)大将:卯
波夷羅(はいら)大将:辰
因達羅(いんだら)大将:巳
珊底羅(さんてら)大将:午
頞你羅(あにら)大将:未
安底羅(あんてら)大将:申
迷企羅(めきら)大将:酉
伐折羅(ばさら)大将:戌
宮毘羅(くびら)大将:亥 

名前の漢字が難しいので、自分の干支担当者をチェックしておくと

観賞時に楽しいです。

 

大善寺のワイン文化

 

勝沼のぶどう農家が組合を組織してぶどうの価格を安定させ、

ワイン醸造に乗り出しました。

冠婚葬祭時にもワインは生活に密着し、

地元で生産し、地元で消費する身近な飲み物となっていきました。

ぶどう発祥の寺 国宝 大善寺 住職と檀家のワイン

 

柏和(かしわ)葡萄酒を経営している大善寺では、

住職と檀家がワインを醸造し

(醸造場は、地域住民との共同醸造場として利用されています)、

祭事や神事の際には神様にお供えするワインが振る舞われます。

試飲については拝観料+300円でオリジナルワインを

楽しむこともできます。

ワインは2種類。

赤はマスカット・ベーリーA、

白は甲州です。

ぶどうジュースもあるので、

こどもにもだいじょうぶ!

日本遺産「葡萄畑が織りなす風景~山梨県峡東地域~」の構成資産にもなっています

 

山門裏にもブドウ畑が広がり、

鉢植えのシャインマスカットなんてめずらしいです。

写真・図版

《真言宗 ぶどう寺 大善寺》

〒409-1316 山梨県甲州市勝沼町勝沼3559

TEL 0553-44-0027

中央自動車道勝沼ICより国道20号を東京方面へ 5分

駐車場 普通:40台(駐車料金は拝観料に含まれます)。

JR中央本線勝沼ぶどう郷駅からタクシーで5分

JR中央本線勝沼ぶどう郷駅からバスで15分

JR甲斐大和駅や塩山駅前を発着する甲州市市民バスの

「甲州市(塩山・勝沼・大和)縦断線」と、

塩山駅や勝沼ぶどう郷駅前を発着する

「勝沼地域バス ワインコース2」が大善寺バス停を通る。

JR勝沼ぶどう郷駅から徒歩で50分

さいごに

 

ぜひ、この珍しい大善寺・ぶどう寺へ足を運んでみてください。

少し離れた場所で感じる風やワインは、また違った体験になるはずです。

ABOUT ME
yumiko
パソコン初心者のシルバーエイジです。自分で言うのもおかしいですが、それほど世の中の常識にとらわれることなく前向きなほうです。言い換えればマイペースです。猫2匹と暮らし、近所の犬とも無条件の信頼でつながっています。