大切な人に花を贈るときに、
バラを思い浮かべる方は少なくないでしょう。
だれもが知っていて、特別な気持ちを伝えるのにふさわしい花。
そんなバラには花にまつわるストーリーが数多くあります。
人は無意識に顔を近つけて、
「香り」に魅了される”そんな花”です。
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バラと人との始まり～古代メソポタミア文明
紀元前のメソポタミア文明の時代、
あるエジプトの墓地からバラの花束の遺物が発見されており、
人々は古代メソポタミアの時代から手向け花として
バラを使っていたと考えられます。
古代のバラ 《香料 薬 文芸 美術》
希少で高価なもの
最初は香料や薬として使うために栽培されていたと考えられています。
クレオパトラや皇帝ネロも沢山の花びらを宮殿の床に敷きつめたり、
風呂に浮かべて楽しむなど、
ちなみに、クレオパトラがアントニウスを迎えたときには
宮殿全体をバラで飾り、
廊下にはバラの花びらを20cmほど敷きつめたと言われています。
王族や権力者など 支配者の象徴としてふんだんに愛用したようです。
世界史に残されている最も古い「バラ」という言葉
さらには、
文芸、美術の分野でもきわだった役割を演じてきました。
また古代メソポタミアの王を主人公にした
「ギルガメッシュ叙事詩」に登場するバラの記述が、
世界史に残されている中で最も古い「バラ」という言葉とされています。
「ギルガメシュ叙事詩」は、古代メソポタミアの文学作品。
実在していた可能性のある古代メソポタミアの伝説的な
王ギルガメシュを巡る物語で人間の知られている歴史の中で、
最も古い作品
一方、中国でも古くからバラが栽培されていました。
近代のバラ 四季咲き革命をもたらした中国の「庚申ばら」
その中に新芽の先に常に花が付き、気温条件が適していれば、
繰り返し咲く四季咲きの性質を持っているバラがあったのです。
バラは春に一度だけ咲くと思われていたので驚異的な発見でした。
19世紀以前の中国で栽培されていた
Rosa chinensis（ローサ チャイニース）と
R.gigantea（ローサ ギガンティア）との交雑種が
ヨーロッパに導入され、交配や栽培の技術が発達する中で、
1867年に誕生した、
ハイブリッド・ティー第一号「ラ・フランス」
がそれです。
ラ・フランス (La France) は、
フランス原産のバラで、
剣弁高芯咲き（けんべんこうしんさき）で、
ピンクの花弁は45枚とも言われ、幾重にも重なる大輪。
切り花などにも向く、枝先に一つだけ大輪の花が咲く物が多く
樹高は120cmから150cmで、枝は細く、とげは少なめ。
日本では、明治から大正時代に天地開（てんちかい）と
呼ばれていました。
剣弁高芯咲き（けんべんこうしんさき）
「剣弁」は、花びらの縁が外側に反り返っていて、
花びらの縁の一部が尖ったようになっている物を言い、
「高芯咲き」は、花を横から見たときに中央が高くなっているものを
言います。
バラの歴史を変えたナポレオンの妻「ジョセフィーヌ」
時のフランス皇帝ナポレオンの妻ジョセフィーヌは
マルメゾン宮殿で世界中から珍しい植物を集め、
とりわけバラにこだわり、
さまざまなバラの原種や栽培種を
集めて育てました。
というのも、彼女の名前は「マリー・ジョゼフ・ローズ」だったから。
それを夫が結婚の際「ジョゼフィーヌ」に変えたのだった。
無邪気で浪費家。
バラ収集熱はどんどん高まっていき、
ナポレオンが大陸封鎖令を出し、
国民に英国との貿易を
禁じているにもかかわらず、
新品種と聞くとロンドンから
ドーバー海峡経由で苗を運ばせた。
１年に１度しか咲かない当時のバラに
「四季咲き革命」をもたらした
中国原産のコウシンバラも、このルートで導入されたようです。
「決して裏切らない、永遠に美しい私の子供たち」
ナポレオンとの間に子供ができず、夫婦生活は１３年半で終わり、
４６歳のジョゼフィーヌはマルメゾンに引きこもり、
新たに大温室を建てるなどますます植物に愛情を注ぎ、
そして５年後に病死。
世界中のバラのほとんどを網羅する膨大なコレクション
バラの交雑も積極的に行われ、
当時1000を超える数が栽培されていたと伝えられます。
政治との関わり・・・イギリスのバラ戦争
世界史で印象に残った「バラ戦争」。
太平洋戦争、日清戦争、関ケ原の合戦…など、
ほとんどの戦争名には地名が付けられているものが多く、
人名が使われているものもある中で
「バラ」という花の名前が付けられた戦争。
バラ戦争と呼ばれるのは？
ランカスター家が赤バラ、ヨーク家が白バラを紋章にしていたことに
由来している。
バラ戦争で王位を継いだヘンリー7世は
エリザベス・ヨークと結婚することになり、
その結果、ランカスター家とヨーク家は統合され、
新たに成立したテューダー朝では
白バラの周りに赤のバラを使った「テューダー・ローズ」を
紋章としている。
日本では国章が定められていないですが、
”菊”の紋章がデザイン化されたものが
パスポートなどに用いられています。
バラが名前の由来となっている「茨城県」・・・県花
かつて常陸国（ひたちのくに）と呼ばれ
現在の名前に通じるお話があります。
エピソード① 悪さをする山賊を滅ぼすために、
「茨（うばら）」で「城」を作った。
エピソード② 豪族の穴倉に「茨」をしかけて追いやり、こらしめた。
花名は、棘（とげ）のある低木を意味する”いばら”（茨）が由来です。
わずか8種の原種から
現在、園芸品種は 3 万種以上と言われていますが、
その元となったのは約 120 種ある野生種のうちわずか 8 種類と
されています。
原種のひとつである「ハマナス」は茨城県が太平洋側の自生地で、
植栽しています。
品種改良の積み重ねによって、さまざまなバラを
楽しめるようになりました。
国営ひたち海浜公園のバラ
開園当初（平成 3 年）：約２０００㎡、80 品種、約 3,000 株
現在（平成 21 年）：約 2,700 ㎡、122 品種、約 4,000 株
自分の気持ちに合うバラを選ぼう！
バラの花に関する意味や花言葉を本数別、色別があっても、
よほど花のことや花言葉に詳しい人でない限りは、
瞬時には理解できないし、
どういう風に選べば良いか迷ってしまいますよね。
贈り物ですから、まずは気持ちを込めることが一番大事でしょう。
プロポーズなどの勝負をかけるシーンでは！
言葉に出して花言葉の意味に乗せることがおすすめです。
あなたの気持ちをしっかりと伝えることや
メッセージカードを添えるなど工夫しましょう。
